例えば下の問題のような場合です。
シンプルですが、よく見る力のモーメントについての問題とは少し違いますね。
普通、棒に掛けるのは力のモーメントそれ自体ではなく、力です。
それに、力のモーメントを掛ける場所も変です。回転中心である点Aに掛けるなら分かりやすいですが、今回は回転中心ではありません。
重力が発生させる点Aまわりの力のモーメントとTで釣り合いの式を立てられる?でもTは点Bまわりの力のモーメントだし…うーん…。
私が思いついた分かりやすい方法は、下図のように棒を変形させる方法です。
つまり、Tが掛かる場所の棒を変形させて、全体としてはT字型にしてしまいます。その上で、T字のハンドル部分の両端に偶力を掛け、点Bに力のモーメントを発生させます。
これなら簡単に力のモーメントの釣り合いを立式できます。
Tが求まりました。
この方法で、例えばTを掛ける場所を棒の中点にした場合でも、同じTが得られます。
つまり、剛体上に働く力のモーメントは、掛かる場所が違っていても足し合わせられるということなんですね。