らくよう日和

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なぜエンジン性能曲線で最大トルクと最大出力の回転数は異なるのか

"出力 = トルク x 回転数"なので、トルクが最大のところで回転数も最大になって出力も最大になるんじゃないか、つまり最大トルクと最大出力になる回転数は一致するんじゃないかと疑問を持った。

分かってしまえば簡単なことだった。回転運動の運動方程式だ。

回転運動の運動方程式とは

 慣性モーメント x 角加速度 = トルク

である。

エンジンの回転運動のように慣性モーメントが一定のとき、トルクが大きくなれば*角加速度*が大きくなる。角速度(回転数)はトルクに関係ない。

トルクが最大のときは角加速度が最大となり、そこより回転数を上げるとトルクが下がって角加速度も下がる。角加速度は下がるけど正なので、回転数はさらに大きくできる。しかし回転数を上げるとトルクが下がる。"出力 = トルク x 回転数"よりトルクと回転数の塩梅で、トルクが最大より少し小さく、回転数が大きい点が最大出力となる。

ということは、エンジンの最大の回転数はトルクがゼロになるときということ。しかし"出力 = トルク x 回転数"なので、トルクがゼロなら出力もゼロ。そんなところはエンジン性能曲線には描かれていない。